2023.08.24

ウクライナからの留学生について

地域社会の皆さま

2022 年 4 月から科目等履修生として受け入れていたウクライナからの2名の留学生(マ リヤさん、ナタリアさん)が、本学での学びを修了しましたので報告いたします。両名共に 戦場となった祖国に思いを寄せながら、残してきたご家族の安否を気遣いながら、初めての 異国の地で本当によく頑張りました。英語学科の科目を中心に韓国語やフランス語の授業 も選択するなど積極的に学びを深め、日本語も驚くほど上達しました。授業だけでなく、 様々な大学行事(クリスマス礼拝での平和のスピーチ、全国高校生英語スピーチコンテスト の司会など)にも進んで協力してくれました。本学の学生とも次第に打ち解けて、笑顔を見 せる回数も増えていったように思います。
二人が大学生活を継続できたのは多くの皆さまのご支援のおかげです。着の身着のまま で避難して来た二人を経済的に支援するために「ウクライナ学生支援募金」を立ち上げたと ころ、学内外から 300 万円を越す募金が寄せられました。募金は大学で責任を持って管理 し、毎月一定額を生活費として渡してきました。二人も皆さまのご好意に甘えるばかりでは なく、放課後はコンビニでアルバイトをしながら勉強を続けました。
ナタリアさんは 2023 年 3 月末に本学での履修を修了し、現在は東京のテレビ局でウクラ イナ語の通訳をするなど活躍しています。マリヤさんも 8 月までで修了することになり、 今後は北九州で就職することを希望しています。二人とも非常に優秀で語学が堪能ですの で、ウクライナと日本の懸け橋となる存在になってくれると期待しています。
身元引受人になってくださった宣教師ご夫妻、安心安全を保障してくださった北九州市 役所や小倉北警察署の皆さま、遠くから優しく見守ってくださったマスコミや地域住民の 皆さま、募金に協力してくださった皆さま、二人が有意義な留学生活を送ることが出来たの は地域社会の皆さまの支えのおかげです。心から感謝申し上げます。
私たちは今現在もウクライナでは戦争が続いていることを、多くのひとの生命や生活が 危機に瀕していることを、決して忘れません。ウクライナに一日も早く平和が訪れることを、 そしてマリヤさんとナタリアさんのこれからの人生に神様の豊かな祝福がありますことを 祈りたいと思います。皆さま、本当にありがとうございました。

2023 年 8 月 24 日

学長 浅野嘉延